2019年11月6日水曜日

秋田犬との散歩で健康に 「ヘルスツーリズム」注目

2019年11月6日 (水)配信共同通信社

地方ならではの自然や気候の体験を通じ、
健康増進を図る「ヘルスツーリズム」が注目。
昨年、旅行プログラムの品質を審査し、「認証」を与える制度が創設。
今後需要が見込まれる中、秋田県では世界的に人気が高まっている
秋田犬を活用した「秋田犬と散歩」が、9月に認証を受けた。

「大股歩きしてみましょう」、「きれいな小石を拾いましょう」。
「秋田犬と散歩」では、同行ガイドが折を見て参加者に声を掛ける。
助言を基に体を動かすことで、秋田犬による癒やし効果と相まって、
心身の健康を図る狙い。
運動が嫌いな人や苦手な人でも、気軽に取り組めるのがポイント。

プログラムは記念撮影を含め1時間半程度で、参加料は1人2千円。
企画したのは、同県三種町の「一般社団法人ヘルスケアデザイン秋田」。
自治体を挙げて健康ウオーキング事業に取り組んでいた同町で、
ガイドらが昨年6月に立ち上げた。

理事を務める相原信孝さん(62)は、
「秋田犬との時間を通じて、健康への気付きを持ってもらえたらいい」
今後は、ジュンサイ料理や温泉入浴といった町の名物を
プログラムに組み入れる構想を温めている。

認証は、NPO法人など3団体で構成されるヘルスツーリズム認証委員会(東京)が
「安全性」、「その土地ならではの旅の楽しみ」、「健康への気付き」の
観点から検討、審査する。
安全性は特に厳しく考慮され、「秋田犬と散歩」も、
リードは飼い主が握らなければならない決まりがある。
委員会の担当者は、「認証という形で、サービスの品質を『見える化』することで、
顧客は安心して参加できる」

今年10月時点で、全国38プログラムが認証。
JTBグループのJTBガイアレック(東京)は、
認証プログラムを組み込んだツアーの販売を始めた。
山形県上山市の「かみのやま温泉」に宿泊し、
大自然を感じながら自分に合ったペースでウオーキングできるツアーの人気が高い。

相原さんの下には、認証をきっかけに問い合わせが増えている。
「やっとスタートラインに立てた。
いろいろな意見を聞いて改善しながら、より良い旅を提供したい」と意気込んだ。

https://www.m3.com/news/general/709272