2020年2月1日土曜日

がん免疫治療:免疫治療薬オプジーボ 対がん効果、血液で予測 本庶氏ら

2020年1月31日 (金)配信毎日新聞社

がん免疫治療薬「オプジーボ」の有効性を、
血液検査で予測する方法を見つけたと、
本庶佑・京都大特別教授らの研究チームが発表。

オプジーボは、一部の患者に優れた効果を示す一方、
効かない患者もいる。
この方法は正解率8割以上に達し、
個々の患者に最適な治療法の提供や医療費抑制につなげられる可能性がある。

本庶教授は、オプジーボを生み出した研究で
2018年のノーベル医学生理学賞を受賞した。
オプジーボは、肺がんや胃がんなどの治療薬として承認されているが、
効果がある患者は肺がんで2~3割。

チームは有効性の予測法を開発するため、
オプジーボを投与する前後で、肺がん患者から血液を採取。
治療効果があった25人と、なかった22人で血中の247種類の物質を調べると、
うち4種類の物質の量に効果との関係性が見いだせた。
4物質の量から、81%の確率で効果の有無を判定できた。

4物質は、免疫細胞の「T細胞」の働きに関連して増減すると考えられる。
薬が効かなかった患者の血中のT細胞の状態を調べると、
機能が低下している割合が高かった。
T細胞を調べれば、96%の確率で効果を予測できるが、
高度な技術が必要となる課題がある。

オプジーボは、100mg約17万円の高額な薬。
現在は、効果を知るため約3カ月間投与を続け、
がんが縮小するか調べている。
今回の手法なら、約4週間で効果を予測できる。

成果は30日、米電子医学誌「JCIインサイト」に掲載。

https://www.m3.com/news/general/724933