2019年10月16日水曜日

今年のノーベル物理学賞は宇宙の理解を大きく前進させた欧米の3氏に

2019年10月8日

2019年のノーベル物理学賞を、
宇宙理論や太陽系外惑星発見を通じ、壮大な宇宙についての
人類の理解を大きく前進させた、
米国、スイス、英国の大学の3氏の研究者に授与する、と発表。
日本人の受賞者はなかった。

3氏は、米国・プリンストン大学のジェームズ・ピーブルズ氏、
スイス・ジュネーブ大学のミシェル・マイヨール氏、
ジュネーブ大学と英国・ケンブリッジ大学のディディエ・ケロー氏。
授賞式は、12月10日にストックホルム。
賞金900万スウェーデン・クローナ(約9700万円)の半分は
ピーブルズ氏に、残り半分がマイヨール氏とケロー氏に贈られる。

ピーブルズ氏は、「宇宙背景放射」と呼ばれる天体現象などの
理論研究を通じ、宇宙がその始まりである「ビッグバン」の直後から
膨張を続け、現在の姿になるまでの進化を理論的に解明した。

マイヨール氏とケロー氏は、南フランスの観測施設を使って、
1955年に地球から約50光年離れたペガスス座の方向の宇宙に
太陽系外惑星が存在することを初めて確認。
この惑星は、木星のようなガスでできた惑星だった。

ケロー氏らの画期的な宇宙観測の前は、
惑星は太陽系にしかないと考えられていた。
同氏らの業績の後、現在までに4000以上の太陽系外惑星が確認。
この中には地球に似た惑星も含まれ、生命存在への期待も高まっている。

マイヨール氏は、2015年に科学の発展に大きく貢献した研究者に贈られる
「京都賞(稲盛財団主催)」を受賞。

http://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2019/10/20191008_01.html