2022年7月7日 (木)配信共同通信
大阪公立大のチームは6日、唾液に含まれる特定のタンパク質に、
新型コロナウイルスの感染を防ぐ働きがあることが分かったと国際科学誌に発表。
加齢に伴って唾液の分泌量が減少している高齢者の発症や重症化に関連している可能性がある。
チームの松原三佐子准教授(細胞分子生物学)は、
「感染予防薬の開発につなげたい」としている。
チームによると、唾液の分泌量は乳幼児ほど多く、高齢になるにつれて減少。
感染防止の役割を果たすタンパク質の量も同様に減少するとみられる。
新型コロナは、ウイルス表面の突起「スパイクタンパク質」と、
人の細胞表面にある受容体タンパク質が結合することで感染する。
チームは、人の細胞に薄めた唾液を加え、新型コロナと感染の仕組みが同じ別のウイルスを振りかけて分析。
唾液の濃度が高くなるほど、ウイルスと細胞表面の受容体が結合しにくくなることが分かった。
チームは、人の受容体と結合する唾液中のタンパク質を4種類特定。
中でも「ヒストンH2A」と「好中球エラスターゼ」の二つが、
両者の結合を防止する働きが特に強いことも判明した。
松原准教授は「ウイルスを攻撃する薬ではなく、
私たちの体がもともと持っている力に着眼した薬の開発を目指したい」
https://www.m3.com/news/general/1057666